自死遺族が辛い命日反応をやり過ごすための10の対処法

  1. 自死遺族として
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大切な人の自殺という悲しみを抱えて生きるためには、その痛みに耐えられるようになるまでには、 自死遺族にとって長いプロセスが必要です。時には、感情が振り出しに戻ったり、死別による悲しみがひときわ強まる時期もあります。それが、命日反応と呼ばれるものです。

命日反応(記念日反応)とは

命日反応とは、言葉通り、大切な人が亡くなった命日になると、気持ちが落ち込み、体調が崩れるなどの症状が現れ、まるでその人が亡くなった直後のような深い悲しみに襲われることを言います。愛する人を亡くした方であれば、誰もに起こる自然な反応と考えられています。そして遺族にとって、とても辛いものです。

また、命日でなくても、自分自身の誕生日や、亡くなった方の誕生日、GW、お盆、年末、お正月など実家に帰省し家族で過ごしていた日、父の日や母の日など、亡くなった方のことを強く思い出すような日が来ると、悲観が深くなることがあり、これらを記念日反応と言います。

まず、命日反応(記念日反応)が起こるということを知っているのといないのとでは全く違います。起こる反応に備えて、事前に心の準備ができるからです。また、その日を何とか過ごすための工夫について考えることもできます。

命日反応の主な症状

  • 喪失感や悲しみが、ひときわ強まる
  • 自分の感情をコントロールできなくなる
  • 衝動的に後追い自殺を考える
  • アルコールを過剰に使用する
  • 過去のその日と同じ行動ができなくなる
  • 自分のことをないがしろにする気持ちになる
  • 死の直後と同じくらいの強烈な感情がぶり返す

命日反応をやり過ごすための対処法

命日は、亡くなった人を思い返す日です。大切な人をどんな方法で思い返し、悼み、供養したいかを考えることが、命日をいかに過ごすかの、その人なりの答えになると思います。

私たち人間には幸か不幸か「慣れる」「忘れる」という機能が備わっています。年々思い返すのが辛いことであっても、時間とともに確実に過去の出来事になってゆきます。そう考えると、自死遺族が命日に感じるこの痛みすら、毎年毎年が、大切な思い出なのです。

大切な人を思い返す、悼む、供養する。自分らしい形を見つけていけることを祈りつつ、いくつかのヒントをシェアしたいと思います。

1.思い出の場所を訪問する

愛する人が最後に行った場所へ行く、愛する人との思い出の場所へ行く、行きたいと口にしていた場所に行く。

愛する人の存在をとても近くに感じることができます。

妹が最後の日を過ごしたのは、生まれ育った地元を思い起こすような、自然のあふれる場所でした。楽しそうに過ごしていたと、たくさん私たち家族の話をしていたと聞きました。両親は命日にその場所を訪れ、妹が歩いた足取りを辿り、妹が最後に見た風景を写真に収めて来てくれました。母が「娘の魂を連れて一緒に帰って来れた気がする」と話していたのを忘れません。

2.手紙、ブログを書く

書くことは、思ったことや感じたことを表すと同時に、癒しでもあります。自分の気持ちを書いてもいいですし、愛する人へ宛てた手紙を書いてもいいと思います。私がこうして自死遺族のブログを書いているのも、それが理由のひとつです。

人の脳は人生の全てを記憶しておけませんし、何を思うかは刻一刻と変化します。自死遺族として過ごす今、この瞬間の気持ちを書き残しておくことはきっと、今もこれからも支えになってくれるように思います。自分自身のためにも、そして同じように苦しんでいる誰かのためにも。

3.愛する人が好きだったことをする

思い出してみてください。一緒に過ごした日々の中で、大切な人は何をするのが好きでしたか。料理、映画、それとも音楽を聴くこと?

私の妹は料理がとても上手で、また好きでよく作っていました。妹がお気に入りに残していたレシピはごはんに合うおかずからお菓子まで豊富にありました。そのレシピを見ながら料理を作ることで、妹と一緒に作っているような、私も作ってみたよと妹に話しかけられるような、そんな気持ちになります。

4.花を飾る

愛する人が好きだった色の花、愛する人をイメージするような花、愛する人が見たら喜びそうな花を飾ります。

フラワーセラピーという言葉があるように、花のよい香りをかぎ、美しいフラワーアレンジを見たとき人はほっとします。花には心を優しく包みそっと癒してくれる力があるのではないでしょうか。

妹の命日には、妹が好きだった青色の花を花屋さんで探してリビングに飾りました。深い青色のガーベラ、青色のデルフィニウム、そしてカスミソウ。この時期なので1週間ほどの日持ちですが、リビングの彩に心が和らぎました。

5.アロマをたく

アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である精油(エッセンシャルオイル)を使って、心と身体のリラックスやリフレッシュを促します。

香りの感じ方や好みには個人差がありますが、もし心地良いと思える香りに出会えたとしたら、それは幸せなことだと思います。気持ちがすーっと安らぐような、そんな香りに。

私は寝る前に、お気に入りのブレンドエッセンシャルオイルをたいていました。ラベンダー、サンダルウッド、カモマイルなどを調合したエッセンシャルオイルです。それから体調が良い時は、妹と一緒に行った台湾旅行の夜市で2人で買ったエッセンシャルオイルを。

6.写真、動画を見る

愛する人の写真や動画を見ることで、一緒に過ごした頃を思い返すことができます。写真や動画の中でいつも通りにこにこと話している姿を見ると、少し遠くへ出かけただけだったのかもと勘違いするほどです。

でも、私は途中で辛くなってしまって…。あまりに辛い時は、少し時間が必要なのかもしれません。無理をぜす、自分にあった方法で過ごせることが一番です。

7.音楽をかける

音楽プレイリストは妹が好きだった曲でいっぱいです。その音楽を聴いたり、ヒーリングミュージックを聞いたりしていました。

そういえば、妹の葬儀の際に、妹の直近の勤務先であった保育園の園長先生が妹が好きだったミュージシャンのCDを持ってきて下さり、葬儀社の方がその曲を流してくださいました。大変有難く感じたのを覚えています。

8.仕事に行く

命日には仕事に行きました。仕事が支えてくれることもあります。

朝からずっと泣いていましたが涙をぬぐって職場へ行くと、仕事をしている間だけは妹のことを考えるスイッチが強制的にオフになってくれました。誰も妹が亡くなったことを知らないので、その環境が有難かったです。そうしてやり過ごした後、家に着くまでの帰路でまた泣いてしまったのですが。

9.愛する人がいる仏壇、お墓へ行く

妹はお墓に入っていませんので、我々の場合は仏壇がそうです。

実家に帰ると「ただいま」と妹にまず話しかけて、帰るときは「また来るね」と声を掛けます。あの世がどこにあるのか分かりませんが、妹のいる仏壇は、私にとってあの世とこの世をつなぐ場所です。妹の姿はなくても、妹の存在がそこにあるのです。

日本人仏教徒は誰もがそうかもしれませんが、法事やお盆にはご先祖様が帰って来ると教えられて育ちました。そのおかげで、1周忌の法要の時にも妹の存在を近くに感じられるのだと思います。

10.家族と過ごす、連絡を取る

もし可能であるならば、家族と過ごしてください。

大切な、愛する人を失った悲しみを共有できる人がいることは救いです。

もし離れているなら、電話でもLINEでもいいと思います。この辛い日に何とか仕事に行った私たちを労おう、そんな会話でもいいのです。同じ悲しみを背負いながら生きている人がいる、そのことは私たちを強くします。

命日反応への自分なりの対処方法を考え、事前に備えておくことが必要

多くの自死遺族にとって、命日は辛く悲しいものです。何をもってしても、もう愛する人がいないという事実は変わらないからです。それでも、命日反応がどのような症状で、どう対処するか自分なりに考え、その日に備えておくことが大切です。その準備によって、何とか命日や記念日を耐え抜くことが可能になると思います。

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Rのために@自死遺族裁判中

妹を自殺で亡くした自死遺族です。妹を自殺に追い込んだ相手に対し裁判中。お問い合わせはrnotameni (at mark) yahoo.co.jp かTwitterのDMまで。

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