知らぬ存ぜぬを突き通して裁判を終えようとする不倫夫(裁判6回目)

  1. 慰謝料請求裁判
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2019年10月11午後2時00分、東京地裁の12階民事第49部にて弁論準備(6回目の裁判)が行われました。

相手弁護士の第一声は「もう結審してもらっていい」

裁判官と双方の弁護士が揃い、さあこれから弁論準備のスタートですとなったところで、相手弁護士が突然言い出しました。

「あんまりよく分からない。もう結審してもらっていいかな。」

相手弁護士以外の全員が「は…?」と顔色を曇らせた。この弁護士は一体何を言い出すんだろうと、怪訝な顔を隠せない我々。

いち早く冷静になった裁判官が「S氏本人側で、もし反論があるのであれば…」と相手弁護士に語りかまけした。続いて、我々原告側の弁護士が「先日提出分の準備書面について認否をしていただければ」と続きます。

裁判官は、我々に「少々外でお待ちください」と弁論準備が行われている小部屋から出るよう促し、早々に裁判官と相手弁護士と2人で話す時間へ。

不貞行為の認否を明らかにせず、裁判の結審が在りうるのか?

我々の疑問は「不貞行為の認否を明らかにせず、結審が在りうるのか?」でした。つまり、妹の夫は、「自分は不倫してない、妹の自殺とは関係ない。」と言い続けるだけで、この裁判が終わってしまうのか、ということです。

我々の弁護士の見解は「事実はどうであれ、不倫と自殺の因果関係がないのであれば、認める必要すらないだろう、と言いたいのだと思う。こちら側がどこまで不倫の証拠を握っているか分からない以上、なるべく自分からは何も言わないようにしている。」とのこと。

不倫夫は、ただただ逃げている

私が思うのは、殺人事件の犯人が一切の黙秘を貫いたとしても、死刑になるときはなるという事実です。妹が「夫の不倫を許せない」と遺書を残し、夫と不倫相手とのLINE画像を残し、自殺した以上、事実上の因果関係があることは明白です。慰謝料請求裁判をおこされ、一切黙秘したところで、慰謝料を払う必要なしなんて判決が出るわけない。妹の夫は、妹の死と向き合うことなく、ただただ逃げているのです。

妹が残した遺言書と相続人である夫の廃除

妹は、遺言書を残し、不倫した夫に対して「相続排除」をしていました。
相続人の廃除とは、相続人から重大な侮辱を受けたりした際に、被相続人(亡くなった方)が家庭裁判所に請求して相続の権利を奪うことを言います。

つまり、夫の不特定多数との不倫は重大な侮辱であり、妹は自分が死んだ後も、夫に自分の財産を1円たりとも渡す気はない、と遺言状で言い残して自殺したのです。

それを妹の夫側は「相続放棄したことが、妹に対する最大の誠意」であるかのような態度です。それが、誠意…。

妹に慰謝料を支払う義務はないと主張する不倫夫側

被告の準備書面には「遺言書には被告を排除するとの記載はあるが、損害賠償を請求するとの記載はない」と記載があります。人が亡くなったらその人の損害賠償権の行使ができないなら、交通事故での被害者の慰謝料は存在しないことになります。そんなことあるはずがありません。

妹の遺産(妹名義の口座の預金)を差し引いても、妹の夫は妹の生命保険の死亡保険金を受け取っています。お金の話だけで言えば、夫は妹が亡くなったことで、お金を手にしているのです。一般的な不倫の慰謝料50万~300万とは、比べ物にならない死亡保険金です。ですから、この先の裁判でいくらの金額の慰謝料支払い判決が出ても、妹の夫は自ら支払うお金など一銭もないのです。妹の死によって保険会社から得た死亡保険金のほうが金額が大きいためです。

それでも私たちは、裁判を、妹のための損害賠償請求訴訟を起こしています。お金なんて問題じゃないからです。妻を命を絶つまでに苦しめた、自分自身の行動と、その責任と向き合って欲しいからです。

裁判を通じて見え隠れする、不倫夫(被告)の無責任な考え

私たち遺族が裁判を通じて感じた、不倫夫(被告)の考えはこうです。

「妹の財産権を放棄したんだから、慰謝料を支払う義務もなければ、不貞行為を認める必要もない。妹の位牌も遺影も全部返す、供養はしない。これまで通りセフレを大量に抱えて遊ぶ生活を止められる訳ないだろう。もう妹のことなんて2度と思い出したくない、忘れて、何事もなかったかのように生きていく。」

自分の妻を自ら命を絶つまでに苦しめた、不特定多数との不倫という不法行為が、全く罪に問われず、裁判でも知らぬ存ぜぬを突き通し、一切の反省なく生きていける世の中であってほしくありません。

S氏自身が何を考え、何を思うのか裁判官も注目している

裁判官からは、私たち遺族と原告弁護士に向けてメッセージがありました。

「S氏本人に一度考えてみて欲しいと相手弁護士に話しました。裁判所が、ああせい、こうせい、ではなく、まずはS氏がご自身で考えられて、何を思いつくのかという所から始めたほうが、本件の解決に資するのかなと。むしろそうじゃないと、恐らく意味がない。」

私は今回出会った裁判官に、本当に感謝しています。つまるところ、裁判所が最終的に判断するのは、損害賠償請求が認められるかどうか、及び請求金額だけです。それでも、その司法の範疇を超えて、この事件の解決方法を、倫理的に模索してくださっているのです。そのことに、感謝しかありません。

同時に、裁判官が期待しているS氏からのコメントが出ないことも、私には分かりました。妹を自殺に追い込んだS氏の無責任さと、人間的なずるさ汚さを、私はすでによく知っているからです。

次回の裁判は、2019年11月12午後14時30分(12階民事第49部)です。(一般の方は傍聴いただけません。)

もう誰ひとり不倫に苦しむ人も
自殺に追い込まれる人もいてほしくない!

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Rのために@自死遺族裁判中

妹を自殺で亡くした自死遺族です。妹を自殺に追い込んだ相手に対し裁判中。お問い合わせはrnotameni (at mark) yahoo.co.jp かTwitterのDMまで。

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