家族を愛しているからこそ、自殺しようとする気持ちを全力で隠す

  1. 自死遺族として
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妹が自殺しようと考えていたことに、なぜ少しでも気付いてあげられなかったのかと、自分を責めることがあります。いえ、正直に言うと、今でも後悔しているのだと思います。夢に妹が出てくるたびに私は全力で妹を捕まえて「死なないで」と説得しようとしていました。

その苦しさに、ひとすじの光を下さったのは、次に紹介する仙台で法律事務所を営まれている土井弁護士先生のブログでした。

自殺しようとする気持ちを全力で隠すのは、家族への愛だという言葉です。

遺族の方から「どうして、苦しいことを話してくれなかったのでしょう。」という質問が出ました。

その初参加の方は、ほとんど即答で言いきりました。

「それは家族を愛していたからです。」

ご自分の体験を交えてお話してくださいました。
「愛する家族にだけは、心配をかけたくない」という気持ちが強すぎるようです。

愛すれば愛するほど、隠さなければならないという気持ちになるようです。

ほとんど感情が残っていないような、重いうつの症状が出ているにもかかわらず、「家族に心配をかけたくない」という感情だけは、最後まで残っているようです。
(もちろん、死んだらもっと苦しめるのですが、そのような派生的効果を考えるほどは、思考力や視野は残されていません。今を考えるので精いっぱいになっています。)

遺書を拝見しても、家族のことを考えていることがはっきりわかりますし、
家族の抱えている今を具体的に把握していることがわかります。

そうして、心配をかけたくないという感情を元に、およそ、その時一番つらい笑う表情を作ったり、わざとふざけて見せたりするわけです。

おそらく、自分の残された精神的エネルギーをすべて絞り出して、家族のために、全力を出しているのでしょう。出しきっているのだと思います。

ある自死されたお父さんは、その直前、感情も思考もなくなったのに、週一度の休みである、日曜日の午前中に子どもたちを映画や遊園地に必ず連れて行っていました。昼ご飯を家族で食べて、午後からは仕事に出ていました。

自死することは何とか防止しなければならないのですが、
そのためにも自死者の実態を知らなければなりません。

自死者が、家族を愛しているからこそ、
自分の苦しみや、自殺しようとする気持ちを
全力で隠すわけです。

これが自死のリアルです。

自死遺族連絡会の田中幸子さんや上智大学の岡知史先生は、遺族の悲嘆は、遺族の自死者に対する愛だとお話しされています。もっともなお話です。

今回の東北希望の会の例会で、もう一つの愛があったということを知りました。自死者の、家族に対する愛です。

家族は、自死者から、大事に思われていなかったのではなく、最後の精神力を振り絞って、一番大切に思われていたということなのです。おそらく、常人には発揮できない精神力です。

これが自死のリアルなのです。

愛する人を思いながら、自死以外の選択肢を失ってしまう自死者、いつまでも、自分を責めながら悲しみ続ける遺族、

だからこそ、だからこそ、
自死を何としても予防しなければならないのだと
私はそう思いました。


土井法律事務所(宮城県仙台市)土井浩之弁護士先生のブログ「弁護士の机の上」より
https://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

最後の精神力を振り絞って、妹が平然を装ってみせたのは、私たち家族のためだったんだ。「愛する家族にだけは、心配をかけたくない」という想いからだったんだ。それが分かった時、私は、少しだけ救われました。

もう2度と妹のような被害者を出さないために、私に何ができるのか。

このブログを書きながら、ずっと考え続けています。

もう誰ひとり不倫に苦しむ人も
自殺に追い込まれる人もいてほしくない!

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Rのために@自死遺族裁判中

妹を自殺で亡くした自死遺族です。妹を自殺に追い込んだ相手に対し裁判中。お問い合わせはrnotameni (at mark) yahoo.co.jp かTwitterのDMまで。

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