死別のグリーフ(悲嘆)の症状やプロセス、グリーフワークとは。

  1. 悲しみに寄り添うもの
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グリーフ(悲嘆)とは

死別などによる強い悲しみのことをグリーフ(悲嘆)と言います。中でも、家族との死別は人生で最大のストレスとも言われています。

家族との死別以外にも、離婚、流産、ペットの死、健康な身体の喪失、夢の喪失、といったケースでも悲しみを引き起こす場合もあります。

さらに「複雑なグリーフ」と言って、時間が経っても症状が改善されない、時間が経つほどに酷い悲しみに襲われるグリーフも存在します。グリーフが複雑になる理由としては、自殺、殺人、不確かな死(誘拐されて見つからない、ご遺体が発見されないなど)、自然災害や事故で多くの家族を失った場合などです。

グリーフの症状やプロセス

人は大切な人を死別によって失うと、感情面だけでなく身体にも行動にも様々な変化や影響が生じると言われています。そして、グリーフのプロセスは、ほとんどの人にとって長い道のりになります。人それぞれに心の感じ方があるので、他者のグリーフとは比べようがありません。さらに、段階的な経過を辿るわけではなく、1日の中でも様々な感情が行きつ戻りつします。ここでは広く遺族が経験する感情や症状を紹介します。

ショック、否認

「まさか」という、死を否定する気持ちが起こります。ショックで心が麻痺してしまったように、大切な人が亡くなったという事実を認めることができない状態です。無感覚のような状況に陥ります。この心理的反応は、耐えられない現実から自分の身や心を守るための正常な反応です。

罪悪感、後悔、自責の念

「この状況を防ぐために、自分は何かできたはずだ」「もし…していれば、あの人はまだ生きていたはずだ」大切な人が自然災害に遭う瞬間を目の前で見ていた人や、自殺により命を絶ってしまった自死遺族に多い感情です。

しかし、それは絶対に防げたのでしょうか。その人の生涯に渡り、防ぐことが出来たのでしょうか。防げたかもしれませんし、防げなかったかもしれません。それは答えのない問いなのです。そして、多くの人が、自分がもしできたはずのことを、人の命を生かせるきっかけを作れたかもしれない自分を、過大評価しています。

怒り

怒りは、罪悪感、後悔、自責の念と深く関係しています。命を助けられなかった医師や看護師に対してや、十分に手を尽くしてくれなかった友人や身内、さらには亡くなった本人に対して怒りの感情を持つことがあります。

愛する人が、自分を残して旅立ってしまった。まるで見捨てられたように感じ、激しい怒りを感じるのです。ある程度の怒りは、前向きになるためのガソリンとして必要な面もあります。

抑うつ状態

何もすることができないほど、強烈な悲しみに襲われる状態です。

抑うつ状態とは「ゆううつである」「気分が落ち込んでいる」 などの状態を言います。病名ではありません。具体的な症状は、抑うつ気分・意欲の低下・興味の喪失・不安障害・睡眠障害・食欲低下のある状態です。心の風邪のようなもので、ある程度は誰もが経験することです。

しかし、大切な人との死別は、ほとんどの人を抑うつ状態に陥らせます。 それで通常なのです。抑うつ状態は、怒りを自分自身へ向ける場合に起こるとも言われています。

受け入れる

悲しみを抱えながらも、大切な人が生きていた頃の楽しかった記憶を思い出すことができるようになったり、新しい活動への興味を取り戻すことができるようになります。

亡くなった人とのご縁はずっと続いていきます。大切な人を想いながら、いつもそばに寄り添ってくれている、そう感じながらその後の人生を生きることができます。

グリーフのプロセス

グリーフ(悲嘆)のプロセスには諸説ありますが、災害時の遺族支援を行っている一般社団法人日本DMORTによると、大切な人を亡くした時、以下のようなプロセスを辿るとも言われています。

  • ショック、感覚鈍磨、呆然自失
  • 事実の否認
  • 怒り
  • 起こりえないことを夢想し、願う
  • 後悔、自責
  • 事実に直面し、落ち込み、悲しむ
  • 事実を受け入れる
  • 再適応

グリーフワークとは

もともと英語の「Grief work」を日本語に訳したものです。”Work”というと、日本語だと「仕事」というイメージが強いですが、グリーフワークはグリーフを抱える人たちを支える仕事のことではありません。

グリーフワークとは、大切な人を亡くした人や遺族が、その人自身で、自分の心と向き合い、その後の人生を生きていくための心の取り組みのことです。

例えば、心が大けがをした状態であっても、人間の身体にも心にも、自然治癒力が備わっています。私たちは、グリーフを受け入れ、グリーフをその後の人生に織り込み、悲しみを抱えながらも故人とのつながりの中で生きていくことが可能です。例えば、以下の活動は全て、遺族にとってのグリーフワークに当たります。

  • 遺族のつどい(分かち合いの会)に参加して話しをする。
  • 亡くなった人を想い、仏壇に向かい、手を合わせて祈る。
  • 家族と亡くなった人のことを話し、悲しみを分かち合う。
  • 心の痛みを和らげるために、仕事や趣味に打ち込む。
  • 亡くなった人の家族や友人から、思い出話を聞く。

グリーフケアとは

グリーフワークのプロセスを支え、見守ることを「グリーフケア(grief care) 」と言います。 大切な人を亡くし深い悲しみの中にいる人たちに対し、寄り添って支援することです。

  • ただそばにいて、沈黙も受け入れる。
  • 心の痛みや悲しみを自由に吐露できるような環境を作る。
  • もし遺族が話をしたら、ただただ話を聴く。(傾聴)
  • 希望すれば具体的なサポートをする。(掃除、買い物、子どもの世話)
  • 悲しみに暮れる時間を遺族が十分に取れるように配慮する。

避けたほうがいいこと

  • 話に耳を傾けず、自分の悲しみの経験について話す。例えば、子どもを亡くした親に、自分が両親や祖父母を亡くした時の話をする。
  • 悲しみをあなたや他の誰かと比較する。例えば「もっと辛い思いをしている人もいる」「息子さんを亡くしても、あなたにはまだ娘さんがいるじゃない」と言う。
  • ポジティブな考えで、悲しむ時間を奪う。例えば、配偶者を亡くした人に「また新しい出会いがある」と言う。子どもを亡くした親に「また産めばいい」と言う。
  • 「あなたの気持ちが分かる」と言う。
  • 間違った方法で悲しんでいると伝える。例えば「涙も見せないなんて冷たい、もっと泣いたほうがいい」「泣いてばかりいると亡くなった人が悲しむ」と言う。
  • 「立ち直れるよ」「時間が解決してくれる」と言う。

グリーフは愛したことの証明

「グリーフは愛したことの証明」という言葉があります。 大切な人を亡くした悲しみがゼロになることはないですが、あなたにとって大切な人だからこそ、このグリーフが存在しています。愛していたからこその悲しみであると、痛みであると、そう思うと、この痛みに耐えられるような気がするのです。

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